最近はデスクワーク等でどなたも長時間座っている機会が多くなりました。
最新の研究では1日6時間以上座っている人は肩こり、腰痛といった筋骨格系の問題だけでなく、糖尿病や癌など多くの病気の発生率も高くなることがデータで分かっています。
これからますます便利な世の中になるにつれ、その傾向は強まるでしょうから対策が必要ですね。
毎日1時間程度の運動がそのリスクを排除することも明らかにされていますので、特に決った運動が苦手な方は、例えば仕事中にこまめに立ったり通勤中の歩行を増やすなど日々の工夫が後々の健康を左右しそうです。
また別の研究では、”姿勢が悪い”65歳以上の高齢者はいわゆる「健康寿命」が短かくなり、生活に誰かの助けが必要になる確率が3倍以上も高くなることも分かっています。
しかしその対応策として、とにかく筋トレしようというのは逆効果になる場合があります。
腰痛持ちの方もまずは腹筋を鍛えようとする方が多いですが、身体が固くなり機能性を失ってしまっている状態で「部分的な」筋トレをしても、効果が薄いだけでなく怪我のリスクを伴います。 まずは柔軟性を取り戻して動きやすい身体作りをすることが大切です。
姿勢をキープできるようになってくると実感できますが、そもそも良い姿勢でいるだけで日常に必要な腹筋背筋は十分ついてきます。結果として代謝も良くなりますので、冷えやむくみ、肥満など様々な悩みが姿勢を良くするだけで解消する可能性があるのです。
逆に言えばデスクワークなどで姿勢が固まると全身の血流が悪くなり、冒頭で述べたようにあらゆる疾患のリスクを上げてしまうことも想像できることかと思います。まずは姿勢をキープするための下準備をしていきましょう。
姿勢改善のポイントになるのは「大腰筋」と「肋骨」です。
大腰筋は直立二足歩行の人間を支えるもっとも重要な筋肉ですが、座位ではこの筋肉が縮む形になるため、座っている時間が長いと若い方でもガチガチに固くなり股関節の動きも悪くなっている方が多いです。
大腰筋が正常に働くようになると、例えば長年の畑仕事で正面が向けないぐらい腰が曲がっている高齢の方でも一発で腰が伸びます。一方で若い方でもこの辺の筋肉が固くなると猫背になりやすいです。
そしてもう一つのポイントとして肋骨があります。前かがみの姿勢が定着すると重心が背骨でなく肋骨にかかるようになるので、だんだん肋骨がつぶれて広がらなくなり、肩が内側に入ってくる「巻き肩」の原因にもなります。また肋骨の動きが悪くなると呼吸が浅くなり、ストレス耐性が弱ったり自律神経に支障をきたしやすくなったりもします。
肋骨の状態は大腰筋ともども自覚症状が出づらいために放置されてしまうことが多いので要注意です。当院ではこの見逃されがちな二点にもしっかり整体を施し、良い姿勢作りのお手伝いをしていきます。
普段からお手入れしていれば身体はいつまでもしっかり働いてくれるものです。
姿勢一つで見た目年齢も大きく変わります。高齢の方でも改善は可能ですのであきらめずご相談ください。